2016年3月26日土曜日

遺伝的アルゴリズムの威力!繰り返しゲームにおける最強はこいつだ!!

遺伝的アルゴリズムの威力を思い知った。


繰り返し囚人ジレンマゲームの拡張(exit option)をさらに拡張した4×4のゲームで最強の反応戦略の組み合わせをみつけようと思った。


ここで反応戦略とは、(自分、相手)=(C,C)ならば C、みたいな今期の自分と相手の戦略に対する次期での戦略のこと。
その組み合わせとは、4×4=16の反応戦略の集合のこと。


さらに最強とは、ランダムに選ばれた1000の反応戦略(オポーネント)と総当たり戦をして合計利得が最も高いことを言う。


初手をいれて4^17(=17,179,869,184=170億)通りの反応戦略の組み合わせが考えられるため、しらみつぶしに最強を探すととんでもない時間がかかる。


3日間くらいアルゴリズムを考えて、良さげなアルゴリズムで20時間ほど計算させて、最強と思われるものを見出した。


その後で、ふと遺伝的アルゴリズムを思いだし、遺伝的アルゴリズムで解いてみたら、10分くらいの計算で上記と同じ答えを得た。


自分の頭で試行錯誤するのが好きなんだけど、先人の知恵を利用する癖をそろそろ身に付けようと思った。

2016年3月17日木曜日

数理社会学会

数理社会学会、無事報告を終えました。
すごく和やかでした。
聴衆は30人くらいで、色々とコメントをもらいました。

あとポスターセッションで、囚人ジレンマ関連の研究がいくつかあったので聞いてきました。


基本的に皆、研究が好きで研究してると思いますが、
特に研究が大好きな人の話はやはり楽しい。
なにより楽しそうに喋るからね。

下記URL先からきた院生のポスターが面白かった。
http://www.sic.shibaura-it.ac.jp/~muto/index.html




囚人ジレンマゲームにゲームそのものを拒否できる選択肢を加えてトーナメントする話。

仲介者研究に通じるものがあるなと思った。
仲介者を利用する=直接取引の軋轢を回避する、だからね。

2016年1月12日火曜日

【社会科学・DC2】日本学術振興会の特別研究員に採用されるために【経済学】

※以前に書いた記事の修正版です。

この記事は、学振に採用されたい大学院生へのアドバイス集です。
私の経験からのアドバイスであるとこを了承してください。
そして自己責任で参考にしてください。

まず私の一昨年度の申請結果を晒します。

結果:不採用A
資格:DC2
系別: 社会科学
分科と細目: 理論経済学
業績(査読有): なし
出身大学: 筑波大学
受入先:筑波大学(DCなので研究室移動もない)
指導教員の知名度(出身): わからない(というか経済学者じゃない)
指導教員の知名度(受入): DCなので同じ先生
出願回数: 1


次に昨年度の申請結果を晒します。

結果:面接免除
資格:DC2
系別: 社会科学
分科と細目: 理論経済学
業績(査読有): 国内誌1(共著で筆頭)  
出身大学: 筑波大学
受入先:筑波大学(DCなので研究室移動もない)
指導教員の知名度(出身): わからない(というか経済学者じゃない)
指導教員の知名度(受入): DCなので同じ先生
出願回数: 2

※ちなみにDC1は出願のタイミングで博士課程進学を考えてなかったため申請していません。


考察1.年齢は関係あるか?

結論から言って、おそらくそれほど関係ありません。
私は社会人経験があり、その前に浪人や休学もしたため、DC2に採用されたH27.4.1時点で29歳でした。それでも採用されています。

※この歳で年収240万弱は色々と思うところありますが(^_^;)

考察2.業績はどれくらい必要か?

結論から言って、分野によって違うので何とも言えません。

経済学(特に理論経済学)は業績が出にくい分野とよく言われます。
私の共同研究者の先生は、国内誌でも1本あれば相当に有利だ、と言っていました。
実際、国内誌1本の業績ができた二回目の申請で私は採用されています。

しかし査読有の業績がなかった一回目の申請でも不採用Aでした。
そのときのスコアが下記です。

研究計画 3.50
業績    2.17
資質    3.00
総合    3.33

総合評価は、かなり研究計画の評価に引っ張られるようです。
業績は確かな武器だが、研究計画のほうが重要、というのが妥当な考察に思えます。

またもしも、次の年に業績が増えたため採用された、のであれば、
博士課程1年生も2年生も同一の基準で業績を評価されている可能性が高いです。

考察3.指導教員の知名度は重要か?

結論から言って、重要かどうかはあやしいです。
指導教員が経済学者でない学生(私)が理論経済学の細目で採用されたからです。

もちろんこれでは木を見て森を見ずになってしまいますし、
2ちゃんねるのテンプレに「指導教員の知名度」という欄が確立されている以上、
長い歴史の中で高名な先生の弟子は有利だったのかもしれません。

よくわからない、というのが妥当な考察に思えます。


考察4.わかりやすい研究計画を書く

研究計画はわかりやすい日本語で書きましょう。
申請者の下位層は日本語でおkな人で占めるので、
わかりやすい日本語で書くだけで彼らを蹴落とせます。

アドバイス.なるべく専門用語を使わない

before
「個人合理的行動と社会合理的行動の乖離、いわゆる社会的ジレンマ状況での協調行動の進化が本研究のテーマである」

after
「漁業資源での乱獲など、個人が自己の便益を追求すると集団の便益を損なうことがある。そうした状況で集団の便益を維持するには、他者との協調が重要である。これが本研究のテーマである」

 学振の申請書は事実上の文字数制限があるため、専門用語を駆使してコンパクトにまとめたくなります。しかし専門用語だらけの申請書はたとえて言うなら地雷原です。読み手の知らない専門用語があったら、読み手はそれ以降の内容についていけません。地雷を踏んで進軍できなくなるのと同じです。

アドバイス.一日2時間

研究計画の執筆は一日2時間程度がんばるのが良いと思います。
もちろん「2」という具体的な数字は私の場合ですが、
ここで何が言いたいのかというと、
「根気よくやるべきだが、がんばり過ぎないほうがよい」ということです。







※続きは後日追記します。
私の申請書

2015年11月22日日曜日

数学が面白い

中退した神戸大学の理学部数学科には微塵も未練がないが、
数学には未練があるな。
意思決定論と呼ばれる分野を勉強しているのだが、
やはり面白い。

数学の何が面白いかって、
理由はいろいろあるんだけど、
やはり、ちゃんと前提を確認しながら話をするところだな。

人と議論していると、
前提を共有しないまま議論して建設的に話し合えなかったり、
前提を後出しジャンケンして俺は間違ってないみたいに主張してきたり、
徒労で終わることがある。

これは将棋やチェスで言うと、対局中に勝手に新しい駒を追加されるようなものだ。

しかし現実において、
そのような行為はもはや仕方がなく、
それでも勝てる人が優秀みたいな空気がある。

つまり前提が曖昧なまま議論しても、相手を説得できる人が優秀で、
いちいち前提を確認してくる人は優秀でない、
みたいな空気を感じるんだよね。

いや、なんとなくそんな気がするって話だ。

2015年5月11日月曜日

先輩と雑談(2018年問題)

今日は先輩と雑談して楽しかった。

皆さんは、2018年問題というのをご存知ですか?
私は今日知りました。

2018年を境に18歳人口が減少するから、
大学が教員の新規採用をしなくなる。

らしいです。

正直、学振通ってから、私もすっかり色めきたってしまい、
ひょっとしたら頑張れば私もいつか大学で教鞭をとれるのかな、
なんて思っていました。

でもこれ本当だったら無理じゃね?

やはり当初の予定通り、
大人しく民間企業(シンクタンクとかベンチャー)を進路にしようかな、
なんて思ったりした。

でも若い優秀な(私は多分違う)研究者を囲い込まなきゃ、
大学は最終的にファクルティーを維持できなくなるんじゃないかな。

つまり学術の空洞化が進むと思われます。


色々と悩んだけど、
私自身は博士号とれなきゃ話が進まないので、
今日もあと少し研究して寝る。

2015年2月2日月曜日

実は探索が楽しい探索市場

探索市場をテーマにした多くの理論モデルに、
時間割引率というパラメータが存在する。

時間割引率とは要するに、

5分間の探索で商品を買うのと、
5時間の探索で商品を買うのでは、

商品と価格が同じなら前者の方が嬉しい、という考え方。
嬉しさが時間で割引されるというわけです。

5分 vs. 5時間

ならば、多くの人がこの考え方に賛同すると思うのだが、

5分 vs. 15分

ならばどうだろう。

ウインドウショッピングなんていう言葉が存在するように、
品物を探索することは実はそれ自体が楽しかったりする。

こういう研究した人っていないかなぁ。

絶対いるだろうなぁ。

2014年5月14日水曜日

仲介者を経由しない大企業

久しぶりの更新です。

今日、中国の留学生と話した。
4/30にゼミで自分の研究計画を話したのだが、
そのとき興味を持ってくれたらしい。
ありがたいことです。

なんでも中国には、
船主と荷主を仲介する仲介者がいるらしい。

船主っていうのは、船を持ってる人。
荷主っていうのは、荷物を持ってる人。

両者がマッチングすることで、荷物が輸送される。

船主と荷主は信頼できる取引相手を探す必要がある。

そのとき小規模な船主と小規模な荷主は、仲介者を頼るらしい。
船主も荷主も、仲介者との間に信頼関係を築くことで、取引を成立させる。

しかし大規模な船主と大規模な荷主は、
自分の存在が広く知れ渡っているし、
自分で信頼関係を築けるから、
仲介者を頼らないとのこと。


これに関する統計的な資料ないかなぁ。